原爆 1945
広島・長崎。
証言収集で読む
原爆の子 広島の少年少女のうったえ(上・下)
自らも被爆した教育学者が、広島の少年少女の体験記を集めて編んだ手記集。子どもの言葉をそのまま史料として残す方法をとり、刊行後は十数か国語に翻訳された。証言収集という方法の最初期の到達点。
実証史学で読む
原爆の世界史 開発前夜から核兵器の拡散まで
19世紀の科学から戦時の実戦使用、戦後の核拡散までを一続きに叙述する。各国の政府・軍・科学者がどう動いたかを比較し、原爆投下を米国単独の事件ではなく世界史の流れのなかに置き直す。440頁の学術書。
当事者手記で読む
屍の街・夕凪の街と人と
広島で被爆した小説家が、被爆直後の惨状を克明に記録した代表作。あわせて被爆8年後の広島を描いた作品を収める。占領期の報道規制のもとで刊行に苦労した経緯を綴った序も収録されている。戦後80年の2025年に岩波文庫入りした。
原爆詩集
広島で被爆した詩人が、被爆の瞬間と被爆者の生を詩の形式で書いた25篇。散文でなく短い言葉に凝縮したため、原爆文学のなかでも最初に手に取りやすい一冊になっている。著者は刊行の翌年、35歳で世を去った。
はだしのゲン(全7巻)
6歳で被爆し父・姉・弟を失った漫画家が、自らの体験を少年漫画として描いた作品。被爆の瞬間だけでなく、その後の差別や貧困、戦後を生き延びる過程まで長く描き続けた。多数の言語に翻訳されている。
組織論・教訓で読む
原爆投下 黙殺された極秘情報
日本軍の情報部がテニアン発の特殊任務機の呼出符号を傍受し、広島・長崎とも投下前に接近を把握していたとする経緯を、日米の資料と証言から検証する。警報が発せられなかった組織的な判断の欠落を追う。原爆を組織論として読む数少ない一冊。
記録文学で読む
黒い雨
被爆者が実際に書き残した日記などを素材に、姪の縁談と原爆症の進行を軸として被爆後の日常を再構成した長編。惨状を叫ばず、日誌に近い文体で市民生活が崩れていく過程を積み上げる。原爆文学の代表作として読み継がれている。
ヒロシマ 増補版
被爆の翌年に広島を取材した米国人記者が、6人の被爆者の当日を一人ずつの時間軸で叙述した作品。統計や政治でなく個人の経験として惨禍を伝える書き方は、その後の報道文学の型をつくった。1985年の再訪で書かれた6人の戦後を第5章に収める。
この世界の片隅に【新装版】(上・下)
広島から呉へ嫁いだ女性すずの日常を、配給・防空・空襲・8月6日を通して描いた漫画。当時の街並みや生活実態を資料考証にもとづき再現している。戦闘の場面ではなく、その周辺で続いていた暮らしの側から戦争を見せる。