昭和の戦争を読む著者から / 保阪正康

証言収集

保阪正康

1939-

昭和史の当事者への聞き書きを約半世紀続け、その証言蓄積は延べ4,000人にのぼるとされる。将官から一兵卒、遺族までの肉声を史料の中心に据え、記録に残らなかった「語られなかったこと」から昭和陸軍の実像を組み立てる。個人誌「昭和史講座」を主宰し、証言の収集自体をライフワークとした。

方法
証言収集 — 当事者への聞き書きを史料の中心に据える
拠りどころ
延べ4,000人規模の聞き書き・当事者証言
世代
戦中生まれ(非体験世代に近い)
当事者性
非従軍(幼少期に戦時下を過ごす)

著者紹介は「何を史料に、どう書くか」の事実記述に限っています。視点の違いは「対で読む」の本の並びでご覧ください。

収録している5冊

昭和陸軍の研究
保阪正康

昭和陸軍の研究(上・下)

朝日文庫 新装版(2025年)|初刊1999年・朝日新聞社

関係者500人超への聞き書きを土台に、満州事変から敗戦までの昭和陸軍を組織として解剖する。将官から兵卒までの肉声で「誰が・どの会議で・何を決めたか」を積み上げた、証言型昭和史の集大成。2025年に新装版。

通史 専門
あの戦争は何だったのか
保阪正康

あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書

新潮新書|新書書き下ろし

軍隊の仕組み、開戦の決め方、敗戦の迎え方——「そもそも」から説き起こす一冊。長年の証言収集を背景に、あの戦争の全体像を大人向けに一気に掴ませる入門書として書かれた。

東條英機と天皇の時代
保阪正康

東條英機と天皇の時代

ちくま文庫|初刊1979-80年・伝統と現代社

開戦時の首相・東條英機の生涯を、遺族・関係者への取材で追った評伝の決定版。凡庸な官僚がなぜ開戦の中心に立ったのか、東京裁判の法廷まで含めて一人の人間として描く。

昭和の怪物
保阪正康

昭和の怪物 七つの謎

講談社現代新書|新書書き下ろし

東條英機・石原莞爾・犬養毅・吉田茂ら7人の「謎」を、著者が半世紀かけて集めた証言から解く人物論。昭和史の分岐点を動かした人間たちへの入口として読める。

戦場体験者
保阪正康

戦場体験者 沈黙の記録

ちくま文庫|初刊2015年・筑摩書房

40年の聞き取りの中で、元兵士たちが「語らなかったこと」——加害・慰安所・戦犯——に向き合った記録。証言収集という方法の到達点であり、限界と沈黙まで含めて書かれている。