昭和の戦争を読む俯瞰マトリクス / 占領と戦後処理

占領と戦後処理 1945-

復員・引揚げ・東京裁判・記憶の戦後史。

証言収集で読む

東條英機と天皇の時代
保阪正康

東條英機と天皇の時代

保阪正康|ちくま文庫

開戦時の首相・東條英機の生涯を、遺族・関係者への取材で追った評伝の決定版。凡庸な官僚がなぜ開戦の中心に立ったのか、東京裁判の法廷まで含めて一人の人間として描く。

昭和の怪物
保阪正康

昭和の怪物 七つの謎

保阪正康|講談社現代新書

東條英機・石原莞爾・犬養毅・吉田茂ら7人の「謎」を、著者が半世紀かけて集めた証言から解く人物論。昭和史の分岐点を動かした人間たちへの入口として読める。

戦場体験者
保阪正康

戦場体験者 沈黙の記録

保阪正康|ちくま文庫

40年の聞き取りの中で、元兵士たちが「語らなかったこと」——加害・慰安所・戦犯——に向き合った記録。証言収集という方法の到達点であり、限界と沈黙まで含めて書かれている。

実証史学で読む

日本人の戦争観
吉田裕

日本人の戦争観 戦後史のなかの変容

吉田裕|岩波現代文庫

「あの戦争」の語られ方が戦後50年でどう変わってきたかを追う戦後思想史。戦争の本を読むこと自体を歴史の中に置き直してくれる、このサイトの土台のような一冊。

兵士たちの戦後史
吉田裕

兵士たちの戦後史 戦後日本社会を支えた人びと

吉田裕|岩波現代文庫

復員した元兵士たちは戦後をどう生きたのか。戦友会・慰霊・沈黙と語りを実証的に追い、「戦争の本」の多くを書き残した世代そのものを歴史化する。

当事者手記で読む

俘虜記
大岡昇平

俘虜記

大岡昇平|新潮文庫

ミンドロ島で米兵を「撃たなかった」自分はなぜ撃たなかったのか——捕虜となった知識人が、自らの内面を執拗に観察した手記。戦争文学の出発点に置かれる一冊。

ミンドロ島ふたたび
大岡昇平

ミンドロ島ふたたび

大岡昇平|中公文庫(改版2016年)

戦後22年、生き残った著者がかつての戦場ミンドロ島を再訪する。死んだ戦友と生き残った自分——当事者の「戦後」がどういう時間だったかを伝える慰霊の紀行。

組織論・教訓で読む

私の中の日本軍
山本七平

私の中の日本軍(上・下)

山本七平|文春学藝ライブラリー(2022年)

自身の軍隊体験を手がかりに、戦後に流布した「戦争伝説」を検証する。百人斬り論争をはじめ、戦争がどう語られ、どう歪むかを当事者の記憶から問うた論争的な仕事。

記録文学で読む

滄海よ眠れ
澤地久枝

新装版 滄海よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(全5巻)

澤地久枝|毎日文庫(2025年復刊)

名簿づくり(『記録 ミッドウェー海戦』)から進んで、戦死者と遺族ひとりひとりの人生を日米双方に訪ね歩いた大作。海戦の「その後」を生きた家族たちの40年。2025年に待望の復刊。

14歳〈フォーティーン〉
澤地久枝

14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還

澤地久枝|集英社新書

14歳で満州の敗戦と難民生活、引揚げを体験した著者の自伝。植民地で暮らした少女の目から、「外地の敗戦」がどういうものだったかを伝える。

この局面の空白: 叙述・語り部では、まだこの局面を収録していません。 「占領と戦後処理」がその書き方では語られてこなかったのか、選書がまだ追いついていないのか——余白として明示しています。