昭和の戦争を読む著者から / 澤地久枝

記録文学

澤地久枝

1930-

満州で敗戦を迎え、引揚げを体験した。中央公論社の編集者を経て、戦死者や遺族ひとりひとりの人生を掘り起こす記録文学へ進む。ミッドウェー海戦では日米の戦死者3,418人全員の名簿を自力で作成し、「数」として扱われた死を「個」に戻す仕事を続けた。

方法
記録文学 — 徹底した取材を文学の筆で定着させる
拠りどころ
遺族への取材・名簿作成・自身の引揚げ体験
世代
体験世代(少国民)
当事者性
少女期を満州(新京)で過ごし、敗戦・引揚げを体験

著者紹介は「何を史料に、どう書くか」の事実記述に限っています。視点の違いは「対で読む」の本の並びでご覧ください。

収録している4冊

記録 ミッドウェー海戦
澤地久枝

記録 ミッドウェー海戦

ちくま学芸文庫(2023年)|初刊1986年・文藝春秋

ミッドウェー海戦の日米戦死者3,418人全員の名簿を、著者がひとりで調べ上げて作った。階級・出身・遺族——「数」だった戦死者を「個」に戻す、記録文学の極点。

滄海よ眠れ
澤地久枝

新装版 滄海よ眠れ ミッドウェー海戦の生と死(全5巻)

毎日文庫(2025年復刊)|初刊1984-85年・毎日新聞社(菊池寛賞)

名簿づくり(『記録 ミッドウェー海戦』)から進んで、戦死者と遺族ひとりひとりの人生を日米双方に訪ね歩いた大作。海戦の「その後」を生きた家族たちの40年。2025年に待望の復刊。

妻たちの二・二六事件
澤地久枝

妻たちの二・二六事件 新装版

中公文庫(2017年)|初刊1972年・中央公論社

処刑された青年将校たちの妻は、その後の35年をどう生きたか。事件を「遺された女性の側」から記録した、澤地の出発点となった作品。

14歳〈フォーティーン〉
澤地久枝

14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還

集英社新書|新書オリジナル

14歳で満州の敗戦と難民生活、引揚げを体験した著者の自伝。植民地で暮らした少女の目から、「外地の敗戦」がどういうものだったかを伝える。